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タグ: 往復小説
お知らせ:第二回藝文東京ビエンナーレ開催中~2018/11/25日迄
第二回 藝文東京ビエンナーレ 開催しました。
今回のテーマ 往復小説 です。
閲覧用のファイルで読めます。
往復小説から着想した書簡に小説を封入。
是非お持ち帰り下さい!!
封書の隅に書かれた番号
#1「葉書(旧:秋)」・#2「ちいさな嘘」です。
松里鳳煌氏に展示協力を頂きました。
藝文東京ビエンナーレ11/19より開催
新作は間に合いませんでした。
会場ではここでも掲載の 往復小説 を展示します。
往復小説 から着想しある展示方法にて。
一つ一つお手製で用意しました。
もし気に入って頂けたらお持ち帰り頂ければ嬉しいです。
よろしくお願いいたします。
往復小説#3-1:ちいさな嘘
6月下旬の新宿は、雨と埃と微かな夏の匂いがする。
地下鉄を降りて、地上への階段を上がったとき、そんな事を思ったので、隣を歩く彼女に話してみた。
新宿は香水と排ガスと酒の匂いしか感じないねえ。彼女は少し赤らんだ顔で陽気に言う。それほとんど自分の匂いじゃん。僕らは笑いながら夜の新宿を歩いていた。 続きを読む 往復小説#3-1:ちいさな嘘
往復小説#1-1:葉書
「秋もすっかり深まってきましたね」
隣の席に座る御老人がマフラーを巻きながら話しかけてきた。
そうですね、と牧野は相槌を打ちながら窓の外を見る。赤黄色に染まり上がったモミジが、闇夜に揺らめいていた。
「気がつけばもう11月も終わりか」
独り言のように呟いた。